過去の「山野草図鑑歳時記・Ⅲ」のアーカイブ

山野草図鑑歳時記[Ⅱ][Ⅲ]、さらに山川草木・動物 歳時記[Ⅰ]・[Ⅱ]に続けます。 こちらは山野草図鑑歳時記[Ⅲ] のみのアーカイブです。

2013年07月

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                               * 2013.7.31

≪ 旬の風 248 ≫ 

                  FARM TOMITA



 1976年5月の日本国有鉄道のカレンダーに≪ファーム富田≫のラベンダー写真が紹介されると、徐々に観光客やカメラマンが訪れるようになったという。また、その後にドラマ「北の国から」で放送されると、観光地として一躍有名になった。

 先の北海道最北端の≪利尻・礼文の旅≫の帰りに、中富良野の≪ファーム富田≫を訪れた。

 そこの有名なラベンダー園は、季節がら、今ひとつだったが、ここが現代の状態に至った夫婦の物語には、心を打たれるものがあった。

 夫婦は55年ほど前に香料用としてのラベンダー栽培を開始した。妻と共に自然環境の厳しい北の大地を日夜開墾し、開始したラベンダー畑は12アールの広さにまで及んだという。
 ところが、1976年頃から貿易の自由化が始まり、価格の低い香料が広まり、合成香料の技術が進み始めると、製造していたラベンダーオイルの買い上げの価格も急落していった。

 もう、ラベンダー畑をやめて、ほかの作物の畑にかえるためにブルドーザーを畑にいれようとする寸前に、ある写真家が訪れ、日本国有鉄道のカレンダーに≪ファーム富田≫のラベンダー畑の写真が紹介されたという。

 ≪もう少し、畑を潰すのを待とうか・・・≫

 ひっそり話している夫婦の声が聞こえる。

 そこに夫婦は、『希望という名の光』をきっと見たのだろう。


 蕾を付け始めた何種類かの紫色の花のラベンダーを嫁さんとじっと見ていた。



 昨日の夜は、仕事で当直をしたが、僕の○○才の誕生日だった。

このときにBSテレビで見た映画「てぃだかんかん -海とサンゴと小さな奇跡-」

 サンゴの養殖を行って美しい沖縄の海を守ろうとする若い夫婦の感動的な物語だった。この映画は、実話が元になっている。

 この映画の実話とラベンダー園の若かった夫婦のイメージが、どうしても ダブってしまった。


 物語の終わりに、突然 流れてきた主題歌:『希望という名の光』(山下達郎)が僕の心を完全に震わせた。

 一人きりだったが、素晴らしい誕生日だった。

 嫁さんに、次から次に出てくる「涙」を 見られずに済んだから・・・









*【参照HP】 ① ファーム富田(ファームとみた):WIKIPEDIA:[ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%AF%8C%E7%94%B0 ]、②映画:「てぃだかんかん -海とサンゴと小さな奇跡-」:[ http://www.dailymotion.com/video/xcnzke_%E6%98%A0%E7%94%BB-%E3%81%A6%E3%81%83%E3%81%A0%E3%81%8B%E3%82%93%E3%81%8B%E3%82%93-%E4%BA%88%E5%91%8A%E7%B7%A8_shortfilms ]、③ 『希望という名の光』(山下達郎):U-TUBE:[ http://www.youtube.com/watch?v=3iYMHgIvNqU ]



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                            * 2013.7.30


3130) エゾカンゾウ Ⅱ


 「礼文島」から「利尻島」に向かうフェリーは多くのツアー客で込み合っていた。
 僕らのツアー・コンダクダーは優秀で、ツアーの一行は十分席が確保された。

 海上には低く雲が垂れ込め、「礼文島」の「香深港」から「利尻島」はその裾野だけが何とか見えるような状況だった。
 
 波が2m以上あるとのことで、コンダクダーに勧められた船酔い防止の「オロナミンC・ドリンク」を飲んでいる人も多かった。フェリーが揺れているという印象は全くなく、僕は「礼文島」に行く時に話したシンガポールの若い男女ペアーと甲板の席で話をしていた。男の方は、確か、「ブロンス」という名前だったことを覚えている。彼の彼女は大人しい感じのまだ高校生と言った感じの女の子だった。

 もうすぐ、「利尻島」の「鴛泊(おしどまり)」という港にあと20分で着こうとしていた時、にわかに、太陽が雲間から覗きだし、あっという間に、辺りは晴天に変わったのだった。真っ青な青空、どこまでも青紺色の海は真っ白なしぶきを立たせ、その飛沫に虹が浮かんでは消えした。何か、奇跡のような雰囲気で、皆、甲板に出てきて声をあげた。

 その目の前には残雪を抱いた「利尻富士」の姿が出てこようとしていたのだ。殆ど頂上付近まで晴れ、雲が切れようとしていた。この上ない美しいものを僕たちは見たのだ。

 「鴛泊」の港は完全に晴れていたが、「利尻富士」の姿は近すぎて見えなかった。僕はもう最高の気分になってきた。

 早速、ツアーバスが『利尻島一周』の観光に出た。


 『あれ~っ!・・・・いつの間に?』

 もう、日差しが途絶えており、暗い光景が広がっていた。北の海には、『礼文島』が見えるはずだったが、鉛色の海しか見えなくなっていた。

 草原に広がって咲く膨大な数のエゾカンゾウ・・エゾカンゾウ・・中にオレンジ色の濃いものはエゾスカシユリ(*)だろう・・・だが、雨まで降り出した。


 最初に到着したのは、『沓形くつがた)岬公園』だった。

 真っ黒い溶岩のゴツゴツした荒々しい海岸、本来はここからも礼文島が見え、利尻富士も美しく見えるのだろうが、・・さっぱり。

 公園内にはエゾカンゾウ(*4106)が多いが、ここで初めて、エゾスカシユリ(*4105)を見た。ただ、それは公園の売店の鉢の中だった。

 ここで最も、素晴らしかったのは、はじめて見た小鳥のけなげな姿だった。
近くに巣があるのだろう、僕らの注意をかわそうというのか、近くで必死で鳴いている。その中の一枚は、のどもとの赤いもので、ガイドさんから「ノゴマ」(*A*)という北方系の鳥であることを教わった。派手な色調から、きっとそれはオスだ。

 どうしても、その赤い部分とそこで見たエゾスカシユリの赤さがイメージ的に重なってしまう。

 あれほど見たかったエゾカンゾウの色は、緑の中に膨大なクロームイ・エロウの点々出しかなく、近くで見たものが美しいとは思えなかった。余りにも膨大なエゾカンゾウの花を見すぎてきたのだ。


 いや・・・僕にとって、エゾカンゾウは、緑の平地か、緑の山の斜面に太陽の白い光をいっぱいに受け、その向こうに紺碧の海、そして、残雪を抱いた『利尻富士』の英知に満ちた姿とあってこそ、エゾカンゾウはエゾカンゾウとして最高のものなのだと思ったのである。







*【参照HP】① エゾカンゾウ(*4106):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/9935010.html ]、② エゾスカシユリ(*4105):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/9919702.html ]、③「ノゴマ」(*A*):a. Wikipedia:ノゴマ:[ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%82%B4%E3%83%9E ]、b. ノゴマの画像:⇒[ http://image.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E3%83%8E%E3%82%B4%E3%83%9E ]


 * 今年の7.30の誕生日は いつもの阿蘇のキスゲ(ユウスゲ)でなく これだ。


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            * 写真は随時 削除・追加されています。




≪旬の風 249≫ 

                        入道雲


  
  夏・・・・ 入道雲 セミの声 ・・・・・

  今年は、突然の大雨  雷  竜巻 ・・・・マムシの多発生


  でも・・・いつの時代も、入道雲は 魅力的だ。

                  

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                           * 2013.7.23


3129) オオヤマフスマ


 「礼文島」で最後の最後に見た植物は・・・・これだ!

 『今後の人生で、再び、ここ「礼文島」を訪れることがあるだろうか?・・・いや、行こうと思えば、この秋にだって行けるだろうし、来年の春だってある・・』

 『しかし、やはり、それは分らない・・・・』


 今回のこの「礼文島」の思い出になる最後の野草はないか・・・黄色のツアーバスの傍で、ほかのツアー客のバスへの帰りを待ちながら、僕は新たな野草を探していた。

 皆に遅れてはならじと思い急ぎ足で「桃台猫台」から無事下ってきた僕らだったのだが、意外にも、僕ら二人は人より早くツアーバスのところまで来ていたのだ。

 バスを眺めてみると、あのビートルズの『マジカリー・ミステリー・ツアー』の黄色いバス(*A*)みたいに見えた。(実際は、黄色い部分が少しあっただけだが・・・)

 すぐ傍の土手の下に茂みがあり、アキタブキ(*4103)やレブンイワレンゲ(*4122)が生えていた。その下にハコベ(*B*)かミミナグサ(*C*)みたいな小さな白い花を付けたいかにも凛とした山野草らしい草が生えていたのである。

 それは、明らかに5弁の花びらで、ハコベかミミナグサみたいに割れたような花びらではない。ノミノフスマ(*D*)にしては、その花冠が大きく、7-8mm大のものである。

 北海道に生える「オオミミナグサ」? それとも、ミミナグサ? まだ、知らない北海道のハコベ?・・・

 いずれにしても、北海道の『小さな白い妖精』みたいな花を最後にここで見つけたことは、僕としては大変うれしかった。 


 旅行から帰ってきて一か月、家でこの野草の花を調べていくと、どうも、「オオヤマフスマ」ではないかと思い出した。


 ただ、オオヤマフスマは花弁とその萼片は5枚ずつなのだが、萼片は花弁の半分くらいの長さであるとされていた。この野草の花の萼片も5枚だが、その萼片の長さは花弁の半分以下で10分の1程度の大きさでしかない。

 オオヤマフスマでなければ、他の何という野草なのだろう。・・・・ここから先が難かしいのである。

 例の親切な植物専門サイト(*E*)で質問したところ、「S]さんという方が「オオヤマフスマ」でよろしいのではないかとお教えくださった。
 「S]さんが下さった情報として、北村らの著書「原色日本植物図鑑 草本編(Ⅱ)離弁花類」には、オオヤマフスマは花弁の長さは5-8mmで、萼の長さは2mmとあるというのだ。つまり、この程度の小さな萼でもまあ“OK”ということなのだろう。

 その方は、更に、もっと重要な鑑別点として、ほかの大きな特徴である雄しべの形態についてお教えくださったのだった。

 すなわち、オオヤマフスマの花の雄しべは、短いものが5本あり、長いものが5本あり、その合計10本の雄しべがある。ところが、短い方の雄しべの花糸には下部半分程度に長い毛が密生しているというのである。この特徴はオオヤマフスマに特有のもので、ほかの近縁のものにはないとのことだった。

 たまたまこの植物では花冠だけを大きく撮影したものがあったので、それを見てみると、確かに、その通りで合計10本の雄しべの半数のものが短い雄しべであり、その基部にはモヤモヤとした付属体がはっきり写っていた。

 この「オオヤマフスマ」だが、ナデシコ科オオヤマフスマ属の多年草で、その分布は北海道に限ったわけではないようだ。北海道から九州にかけて分布し、山地の草地や道端などに生えるという。
 草丈は10cmから20cmくらいで、茎は直立をし、上部で枝分かれをする茎には細かい毛が生えている。葉長は2cm程度の楕円形で、対生している。開花時期は6月から8月。花冠径は1cmくらいの白い花をつける。
花弁は5枚である。

 名前の「オオヤマフスマ」だが、ノミノフスマ(*D*)という極めて小さな葉と花をつけるものがあり、このオオヤマフスマと格好は両者よく似ている。フスマ(衾)とは、現代の襖(ふすま)と障子(しょうじ)の「ふすま」ではなく、古い時代の夜具(薄い布団)のことであるらしい。
 さしずめ、「オオヤマフスマ」の名前は、山に生える大きなノミノフスマに似た山野草ということになろうか。

 別名を姫誰袖草(ヒメタガソデソウ)というらしく、これも面白そうな名前の由来が考えられるが、今回は割愛することにする。さらに、この「オオヤマフスマ」だが、北半球の温帯に広く分布してはいるものの、遺存種(生きている化石)なので生存力が弱く、少ないもののようである。


 「オオヤマフスマ」・・・・僕としては、北海道の『小さな白い妖精』みたいな花としたかったのだが、まあ、いいだろう。
 僕の中では、『礼文島・最後の小さな白い妖精みたいな花』だったことに間違いはないのだから。






*【参照HP】 ① 『マジカリー・ミステリー・ツアー』の黄色いバス(*A*):⇒ ≪10万回アクセス記念 28≫ マジカル ミステリー ツアー(magical mystery tour)★:[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/61006971.html ]、② アキタブキ [秋田蕗](*4103):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/9898735.html ]、③ レブンイワレンゲ(*4122):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/10056283.html ]、④ ハコベ(*B*):a. コハコベ(*667)/ミドリハコベ(*678):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/33435991.html ] 、b. ウシハコベ (変種?)[Ⅵ](*2798):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/3177005.html ]、c. ウシハコベ(*91-a):[ http://geocities.yahoo.co.jp/gl/ryujumihouchida/view/20050911 ]、d. ウシハコベ[Ⅱ](*669):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/33443127.html ]、e. コハコベ(*667):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/33435991.html ]、f. ミドリハコベ(*91-B):[ http://geocities.yahoo.co.jp/gl/ryujumihouchida/view/20050911 ]、g. ミドリハコ(*668):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/33435991.html ]、⑤ ミミナグサ(*C*): a. オランダミミナグサ(*77):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/28413949.html ]、b. ゲンカイミミナグサ(*1710):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/54197061.html ]、c. オランダミミナグサ(*77):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/28413949.html ]、d. ミミナグサ[?](*1188):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/46236578.html ]、⑥ ノミノフスマ(*D*):a. ノミノフスマ」(*497):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/25212802.html ]、b. ノミノフスマ[Ⅱ](*4035);[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/9426177.html ]、⑦ 例の親切な植物専門サイト(*E*):草花を愛でる方々のためのお尋ねBBS:[ http://www2.ezbbs.net/18/jswc_3242/ ]

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                             * 2013.7.27

3128) ツタウルシ


 「礼文島」の「桃岩」から丘の下のツアーバスに戻ろうと急ぎ足で戻っていた。

 ふと、足元に這い出していた植物に『ハッ!』として、体を避けようと体のバランスを崩してしまった。転びはしなかったが、危ないところだった。

 足元で僕を脅した植物は、邪悪なようすで、赤い茎と真緑の葉を広げていた。

 僕としても、初めての北の最北端の島「礼文島」の高山植物(ここでは平地植物なのだが、)を見ようと僕の足ももう浮き足立っていたのだった。


 日本最北端の「礼文島」の「桃岩」周辺の丘に入山しようとした時に、例の綺麗なバスガイドさんが、びっくりするような注意を促していたことを思い出した。

 「そ、そこ・・の葉っぱ注意してください。触らないように! この島にはヒグマみたいな猛獣や害をもたらす動物はいませんが、皆様のそこの足元に広がっている植物は“ツタウルシ“と言いまして、ウルシの一種(*A*)です。ひどくかぶれる人がいまして・・・・」

 ガイドさんの近くにいたツアーの人が一瞬のけぞって、その場から飛び離れたのだった。

 マムシ(*B*)なら、いざしらず、たかが、ウルシの一種ではないか、大したことはなかろう・・・無視、無視・・・それより、ほかの野草が見たかった。


ツタウルシは、北海道から九州の日本各地、樺太・南千島・中国などにも分布する落葉のツル植物である。雌雄異株で、6-7月に葉腋に小さな花を多数つける。花は黄緑色で花弁は長さ3mmで、雄花と雌花がある。果実は扁球形で夏に熟し、特徴的な縦筋がある。
 地面を這っていることもあり、また、気根を出して樹木の幹などをよじ登るものもある。秋の紅葉は他のウルシ属のハゼ(*C*)やヌルデ(*971)と同様に美しくブナ(*925)の林を彩っていくのである。

 ツタウルシの葉は3枚の小葉からなり「三出複葉」。長い柄があり小葉は10cm前後の全縁で先は鋭くとがるが、葉は幼いときには鋸歯がある。花は雌雄とも花弁は五枚、萼(がく)は五裂する。雌花には退化した5本の雄しべと、1本の雌しべがあり、雄花には5本の雄しべがある。花弁は長さ約3mmの長楕円形で、雄花も雌花もそり返る。

 樹液に毒性があり、毒性はウルシの仲間ではかなり強く、うっかり触ったり座ったりすると手足やお尻がかぶれてしまうので要注意であるとされる。


 注目すべきは、野外における触って「危険な植物」であるということである。

 ウルシの仲間によるアレルギー性皮膚炎は、遅延型接触皮膚炎と呼ばれるものらしく、1〜2日後に皮膚炎が起る。また、その植物に触れた「一部の人だけ」に発症することも特徴の一つである。この接触性皮膚炎は、よく「かぶれる」といった言葉で表現される皮膚の発赤、浮腫、から糜爛、水泡形成、創部の2次的感染である。

 ウルシ科の植物で、野生のウルシの仲間では、“かぶれる”毒性分の強さが最も強いのがこのツタウルシであるらしい。ただ、マムシ(*C*)や、クマ(*)、スズメバチ(*D*)、ムカデ(*E*)などとは比較にならないほどの『害』であるが、注意するに越したことはない。


 その後、利尻島の「姫沼」でも多くのツタウルシを見たし、僕はそれに触れながらも多くの北国の野草を撮影してきたのだが、その後、“かぶれ”の症状は全くでなかった。すなわち僕は、「一部の人」以外の発症しないタイプの皮膚を持っていたわけだ。

 しかし、あの「礼文島」でこのツタウルシを見た瞬間に転倒しなくて良かった・・・・転倒・骨折でもして、どこかの病院に運ばれたなんてことになっていたら、僕の『夢の花の北海道・礼文・利尻・最北端ツアー』も水の泡だったかもしれなかったのである。






① ウルシの一種[ウルシ類の一種](*A*):ヤマウルシ(*1270):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/47490472.html ]、② マムシ(*B*):≪旬の風 205≫ 要注意!:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/7125074.html ]・・・これは、マムシではなく、アオダイショウの幼蛇だった。③ ハゼ(*C*):a. ヤマハゼ(*1146):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/45316055.html ]、b. ハゼ(*773):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/36908636.html ]、c. ナンキンハゼ(*729):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/36110997.html ]、d. ナンキンハゼ[Ⅱ](*1493):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/50868543.html ]、e. ナンキンハゼ[Ⅲ](*2996):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/8111289.html ]、④ ヌルデ(*971):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/40760066.html ]、⑤ ブナ(*925):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/43843685.html ]、⑥ クマ(*):[近日公開予定]、⑦ スズメバチ(*D*):≪旬の風 210≫ 恐るべし! キイロスズメバチ:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/7504762.html ]、⑧ ムカデ(*E*):≪90000回アクセス記念 ⑦≫:動物の写真館:クモ・ムカデ・ザトウムシ など節足動物の仲間:[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/60415971.html ]

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