* 2013.12.24
3258) カトレヤ Ⅱ
12月の始めに、千々石湾の向こうに雲仙岳を望む「唐子(からこ)」という町で、立派なカトレア(*2757)の花を見た。そこは、御殿のような高級ホテルの一角でもなく、煌びやかなブライダルホールの玄関でもない。・・・というより、そんなものは田舎の「唐子」には全くない。
実は、「唐子」には、幻の“唐子レンコン”(*A*)を手に入れようと思って行ったのだ。
前日、友人のうちで“唐子レンコン”を使った料理(*B*)がサクサクとした感じでひどく旨かったので、早速・・・ということでそこに行ったのだ。
“唐子レンコン”を売っているところは、どこだ? さまよい訪ねたが分からない。
県道沿いのとあるガソリン・スタンドに立ち寄って、情報を得ようとした。その雑然として決して美しいとはいえない事務所の中に、この赤いカトレヤの花が燦然として輝いていたのだった。
そのカトレアの花を見た後は、雑然とした事務所が何か明るく美しいものに見えてくる。スタッフの女性も男性の方も微笑みながら親切に対応してくれた。
『掃き溜めにツル』というが、そんな表現は全く当たっていない。そんな下種なものではないのだ。たとえ、そこが「掃き溜め」のような場所であっても、「ツル」なら、逆に、その場所を美しい場所に見せてくれるのではないか。
ただ、このカトレアの花は、僕が『オオッ!』と声を上げたほど美しかった。
そもそも、“掃き溜め”みたいな雑然としたところいる美しい人は、ぱっと目にはあまり目立たないが、よく見ると本当に美しい。さらに、美しい人は掃き溜めみたいな場所の周囲を輝かせていることが多い。カッコつけた“一目美人”にろくな女はいなかった。
本当に美しい女性を僕は子供のときから、何回も見てきた感じがする。そんな女性は、市場で景気のよい言葉で対応していた「N」クジラ屋さんの娘さんだったし、市場の裏の「M]床屋(理髪店)の優しいお姉さんだった。彼女らは、僕にはひどく美しかった。
僕は、子供のときから少しずつ、本当に綺麗な女性を見ては、自分なりの女性観を磨いてきたのだろう。こんな美しい女性の周りは、雑然とした中にも、どこかいつもその場所が輝いていたような気がしていた。
しかし、それにしても、そのカトレアの花は、ひどく情熱的な別嬪さんだった。カッコつけたろくでもない“一目美人”には程遠いのだ。彼女は媚を売ることもなく、自分が美しいとも知らず、ただ、生まれたままの姿でそこに黙って咲いていた。
残念ながら、僕は、未だに、そんな女性は見たことがない。
カトレヤは中南米原産のラン科植物の1つの属、もしくは、その近縁属との交配品種を含む植物である。美しい花を咲かせることからよく栽培され、最も有名な洋ラン(*C*)で、『ランの女王』とも言われるものだ。僕としては、普通に『女王』なんて言い方をして欲しくないのだが・・・。一般に、中央は濃く色づくものが多く、花びらは大きく開き、正面を向く。その色は白からピンク系、紫赤色のものが多く、非常に華やかで美しく目立つ花であることには間違いない。
「カトレヤ」という名前は、最初に栽培で花を咲かせたカトレアさん(William Cattley)にちなんでいる。彼が、南米から送ってもらった植物の梱包材として使われていたこの着生植物に興味を持ち、栽培してみたところ予想もしなかった見事な花をつけたというのだ。ただし、この話は、イギリスの本に掲載された作り話であるとも言われている。
この「カトレヤ」は、ラン目 ラン科 カトレヤ属に属しているが、その名はカトレヤ属の植物の総称として使われる。近年では、分類体系の変更からその属の境界も変遷をたどっており、「カトレヤ」の名を冠する植物の幅も広くなっているらしい。そのため文献やラベルには混乱がある場合があると言われる。
もともとの原産地は中南米のコロンビア、ベネズエラ、ブラジル、エクアドルなどで、特に、アンデス山脈などの標高100m~1500m程度の森林地帯に産する。現在、その野生種でも40種~80種にのぼるとされ、交配種を含めると膨大な種類となる。
カトレヤは着生植物(木の幹や枝、岩の上に根を下ろして生長していくスタイルの植物)である。木の樹皮に付着して生活するものが多く、その形態的特徴として、匍匐(ほふく)茎の節から出る白くて太い“うどん状”の根で樹皮に張り付くようにして生活する。雨水や着生した樹木の樹皮を伝って落ちてきた水をすばやく吸収し、その後で内側の生きた組織で吸収する。根の生きた組織は葉緑体を持ち、光合成の能力を持つらしい。
「偽球茎」と呼ばれる茎には多量の水分や栄養分が蓄えられ、時にしか水が得られない樹上の環境に耐えられるようになっている。偽球茎と葉は何年間も寿命を持ち、株全体で常に数本の偽球茎を持っている。古い偽球茎では葉が枯れて落ちてもなお余命を保ち、水分と栄養分の貯蔵器官として機能しているという。
かつて、死にかけ、いや、もう死んだと思っていたカトレア(*2757)の残骸から、突然に美しい花が咲いたことを思い出す。・・・あれは、僕の嫌っていた先輩の家族からの贈り物だった。
・・・・で、話をもとに戻すが、
そのカトレアの輝いていたガソリンスタンドの方たちは、あちこちに電話をかけてくれて、幻の“唐子レンコン”の売ってあるところを教えてくれたのだった。
泥だらけの殺風景なレンコン(ハス)の畑は今の季節は荒れはてたような「掃き溜め」のような場所であるが、このような土地に夏に咲くレンコン[ハス(*D*)参照]の花はカトレアに負けず劣らず、ひどく美しいものである。
ついでにもう一つ、“唐子レンコン”は、決して、「からしレンコン」ではなく、「からこレンコン」である。一度食べてみたら、他のレンコンは食べられない?かも・・・・
*【参照HP】① カトレヤ(*2757):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/2267314.html ]、②“唐子レンコン”(*A*):⇒ a. ながさきの地産地消:もぎたて市:[ http://www.pref.nagasaki.jp/tisan/shop/detail.php?id=159 ]、b. FeedPing.net:[ http://www.feedping.net/news/d/?uid=2214238 ]、c. 唐子のはす園:[ http://23.pro.tok2.com/~koume3/nagasakiken/karako/karako.html ]、③ 唐子レンコンを使った料理(*B*):磯料理 あじ彩:[ http://www.iso-ajisai.com/ ]、④ 洋ラン(*C*)⇒ラン類(*C*)→ a. セッコク[デンドロビウム](*600):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/29964395.html ]、セッコク(デンドロビウム)[Ⅱ]:http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/59899714.html→ b. コチョウラン(*1870)[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/54325843.html ]、→ c. コクラン[Ⅰ](*1701):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/54325652.html ]、コクラン[Ⅱ](*1702):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/56415075.html ]、d. フウラン(*197):[ http://geocities.yahoo.co.jp/gl/ryujumihouchida/view/20051008 ]、e. カンラン(*294):[ http://geocities.yahoo.co.jp/gl/ryujumihouchida/view/20051107 ]、f. カキラン(1294):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/47935271.html ]、⑤ カトレヤ(*2757):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/2267314.html ]、⑥ ハス(*D*):a. ハス(*607):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/30271886.html ]、b. ハス Ⅲ [別名: 大賀ハス、二千年ハス](*1369):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/48992308.html ]、c. ハス Ⅲ [別名: 大賀ハス、二千年ハス](*1368):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/48999824.html ]、d. 唐子のはす園:[ http://23.pro.tok2.com/~koume3/nagasakiken/karako/karako.html ]
3258) カトレヤ Ⅱ
12月の始めに、千々石湾の向こうに雲仙岳を望む「唐子(からこ)」という町で、立派なカトレア(*2757)の花を見た。そこは、御殿のような高級ホテルの一角でもなく、煌びやかなブライダルホールの玄関でもない。・・・というより、そんなものは田舎の「唐子」には全くない。
実は、「唐子」には、幻の“唐子レンコン”(*A*)を手に入れようと思って行ったのだ。
前日、友人のうちで“唐子レンコン”を使った料理(*B*)がサクサクとした感じでひどく旨かったので、早速・・・ということでそこに行ったのだ。
“唐子レンコン”を売っているところは、どこだ? さまよい訪ねたが分からない。
県道沿いのとあるガソリン・スタンドに立ち寄って、情報を得ようとした。その雑然として決して美しいとはいえない事務所の中に、この赤いカトレヤの花が燦然として輝いていたのだった。
そのカトレアの花を見た後は、雑然とした事務所が何か明るく美しいものに見えてくる。スタッフの女性も男性の方も微笑みながら親切に対応してくれた。
『掃き溜めにツル』というが、そんな表現は全く当たっていない。そんな下種なものではないのだ。たとえ、そこが「掃き溜め」のような場所であっても、「ツル」なら、逆に、その場所を美しい場所に見せてくれるのではないか。
ただ、このカトレアの花は、僕が『オオッ!』と声を上げたほど美しかった。
そもそも、“掃き溜め”みたいな雑然としたところいる美しい人は、ぱっと目にはあまり目立たないが、よく見ると本当に美しい。さらに、美しい人は掃き溜めみたいな場所の周囲を輝かせていることが多い。カッコつけた“一目美人”にろくな女はいなかった。
本当に美しい女性を僕は子供のときから、何回も見てきた感じがする。そんな女性は、市場で景気のよい言葉で対応していた「N」クジラ屋さんの娘さんだったし、市場の裏の「M]床屋(理髪店)の優しいお姉さんだった。彼女らは、僕にはひどく美しかった。
僕は、子供のときから少しずつ、本当に綺麗な女性を見ては、自分なりの女性観を磨いてきたのだろう。こんな美しい女性の周りは、雑然とした中にも、どこかいつもその場所が輝いていたような気がしていた。
しかし、それにしても、そのカトレアの花は、ひどく情熱的な別嬪さんだった。カッコつけたろくでもない“一目美人”には程遠いのだ。彼女は媚を売ることもなく、自分が美しいとも知らず、ただ、生まれたままの姿でそこに黙って咲いていた。
残念ながら、僕は、未だに、そんな女性は見たことがない。
カトレヤは中南米原産のラン科植物の1つの属、もしくは、その近縁属との交配品種を含む植物である。美しい花を咲かせることからよく栽培され、最も有名な洋ラン(*C*)で、『ランの女王』とも言われるものだ。僕としては、普通に『女王』なんて言い方をして欲しくないのだが・・・。一般に、中央は濃く色づくものが多く、花びらは大きく開き、正面を向く。その色は白からピンク系、紫赤色のものが多く、非常に華やかで美しく目立つ花であることには間違いない。
「カトレヤ」という名前は、最初に栽培で花を咲かせたカトレアさん(William Cattley)にちなんでいる。彼が、南米から送ってもらった植物の梱包材として使われていたこの着生植物に興味を持ち、栽培してみたところ予想もしなかった見事な花をつけたというのだ。ただし、この話は、イギリスの本に掲載された作り話であるとも言われている。
この「カトレヤ」は、ラン目 ラン科 カトレヤ属に属しているが、その名はカトレヤ属の植物の総称として使われる。近年では、分類体系の変更からその属の境界も変遷をたどっており、「カトレヤ」の名を冠する植物の幅も広くなっているらしい。そのため文献やラベルには混乱がある場合があると言われる。
もともとの原産地は中南米のコロンビア、ベネズエラ、ブラジル、エクアドルなどで、特に、アンデス山脈などの標高100m~1500m程度の森林地帯に産する。現在、その野生種でも40種~80種にのぼるとされ、交配種を含めると膨大な種類となる。
カトレヤは着生植物(木の幹や枝、岩の上に根を下ろして生長していくスタイルの植物)である。木の樹皮に付着して生活するものが多く、その形態的特徴として、匍匐(ほふく)茎の節から出る白くて太い“うどん状”の根で樹皮に張り付くようにして生活する。雨水や着生した樹木の樹皮を伝って落ちてきた水をすばやく吸収し、その後で内側の生きた組織で吸収する。根の生きた組織は葉緑体を持ち、光合成の能力を持つらしい。
「偽球茎」と呼ばれる茎には多量の水分や栄養分が蓄えられ、時にしか水が得られない樹上の環境に耐えられるようになっている。偽球茎と葉は何年間も寿命を持ち、株全体で常に数本の偽球茎を持っている。古い偽球茎では葉が枯れて落ちてもなお余命を保ち、水分と栄養分の貯蔵器官として機能しているという。
かつて、死にかけ、いや、もう死んだと思っていたカトレア(*2757)の残骸から、突然に美しい花が咲いたことを思い出す。・・・あれは、僕の嫌っていた先輩の家族からの贈り物だった。
・・・・で、話をもとに戻すが、
そのカトレアの輝いていたガソリンスタンドの方たちは、あちこちに電話をかけてくれて、幻の“唐子レンコン”の売ってあるところを教えてくれたのだった。
泥だらけの殺風景なレンコン(ハス)の畑は今の季節は荒れはてたような「掃き溜め」のような場所であるが、このような土地に夏に咲くレンコン[ハス(*D*)参照]の花はカトレアに負けず劣らず、ひどく美しいものである。
ついでにもう一つ、“唐子レンコン”は、決して、「からしレンコン」ではなく、「からこレンコン」である。一度食べてみたら、他のレンコンは食べられない?かも・・・・
*【参照HP】① カトレヤ(*2757):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/2267314.html ]、②“唐子レンコン”(*A*):⇒ a. ながさきの地産地消:もぎたて市:[ http://www.pref.nagasaki.jp/tisan/shop/detail.php?id=159 ]、b. FeedPing.net:[ http://www.feedping.net/news/d/?uid=2214238 ]、c. 唐子のはす園:[ http://23.pro.tok2.com/~koume3/nagasakiken/karako/karako.html ]、③ 唐子レンコンを使った料理(*B*):磯料理 あじ彩:[ http://www.iso-ajisai.com/ ]、④ 洋ラン(*C*)⇒ラン類(*C*)→ a. セッコク[デンドロビウム](*600):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/29964395.html ]、セッコク(デンドロビウム)[Ⅱ]:http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/59899714.html→ b. コチョウラン(*1870)[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/54325843.html ]、→ c. コクラン[Ⅰ](*1701):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/54325652.html ]、コクラン[Ⅱ](*1702):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/56415075.html ]、d. フウラン(*197):[ http://geocities.yahoo.co.jp/gl/ryujumihouchida/view/20051008 ]、e. カンラン(*294):[ http://geocities.yahoo.co.jp/gl/ryujumihouchida/view/20051107 ]、f. カキラン(1294):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/47935271.html ]、⑤ カトレヤ(*2757):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/2267314.html ]、⑥ ハス(*D*):a. ハス(*607):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/30271886.html ]、b. ハス Ⅲ [別名: 大賀ハス、二千年ハス](*1369):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/48992308.html ]、c. ハス Ⅲ [別名: 大賀ハス、二千年ハス](*1368):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/48999824.html ]、d. 唐子のはす園:[ http://23.pro.tok2.com/~koume3/nagasakiken/karako/karako.html ]