過去の「山野草図鑑歳時記・Ⅲ」のアーカイブ

山野草図鑑歳時記[Ⅱ][Ⅲ]、さらに山川草木・動物 歳時記[Ⅰ]・[Ⅱ]に続けます。 こちらは山野草図鑑歳時記[Ⅲ] のみのアーカイブです。

2016年01月

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                                   * 2016.01.25


≪旬の風 421≫   


                          キセキレイ



とりわけ、「冬」というのは、多くの野鳥の見られる季節である。

 一般的には、雪や氷に完全に閉ざされない日本で越冬するために北国(外国)からやって来るからだろうが、冬枯れによって観察の妨げになる木の葉が落ち、鳥の姿が露わになること。それに、川や海の水面にくる冬鳥(渡り鳥も)が多く、良く目立つことなどのことがあるようである。

 目の前に海の広がるわが職場からは冬には多くの海の野鳥(水鳥)が見られるし、毎日の通勤時に「江迎」の川面にも多くの種類の水鳥(*A*)が見られる。

 陸上の河川領域で、秋からこの冬に良く見られる野鳥のひとつに「セキレイ」(*B*)がある。そのセキレイの仲間で、胸から腹にかけて黄色い羽の「キセキレイ」というものは、滅多に見られない。

 先日、佐世保の「踊石」(*)の小さな川で「キセキレイ」を見つけた。

 浅い川の中で餌をつついていて、こちらの存在にはまるで気づいてはいない。たぶん。

 この時こそチャンスと思って、デジカメのレンズを向け、望遠で撮ろうと思った。もたついて撮り逃してはいけないと思い、はじめから高倍率の望遠で覗いたのだが、どこにいるのかわからない。

 訳のわからない画面で、望遠機能をゆるくして、やっと「キセキレイ」を捕らえた。

 「キセキレイ」は、もうすでに僕の存在に気づいたのだろう。上流の方に少しづつ転々として移動していく。川の水が光っていて、なかなか満足のいく写真が撮れない。
 道の手前に隠れて遠回りして、鳥の先のほうに行って、川を除いたところ、その目の前に「キセキレイ」がいって、向こうもビックリしたのか、急に飛び去ってしまった。

 その川岸に見たことのあるような、ないようなピンク色の花が群れを成して咲いていた。




*【参照HP】① 水鳥(*A*):a. ≪旬の風 269≫ 江楯池 ★:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/11142368.html ]、b. ハクモクレン[Ⅴ](*3318):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/11426198.html ]、c. ≪旬の風 11≫ ハウステンボスの秋・紅葉 :[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/50848405.html ]、d. ハス[Ⅳ](*3278):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/11282165.html ]、e. ≪90000回アクセス記念 ⑫≫ 動物の写真館 野生の脊椎動物:爬虫類・両生類・鳥類:[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/60434423.html ]、f. ≪90000アクセス記念⑭≫動物の写真館:園の動物たち (NAGASAKI BIO-PARK):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/60440565.html ]、②「セキレイ」(*B*):a. シロバナミヤマオダマキ(*3134):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/10138139.html ]、b. セキレイ:[検索中]、③「踊石」(*C*): a. グランドモナーク(スイセン)[別名:フサザキスイセン] :[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/folder/18243.html ]、b. ヤクシソウ[Ⅳ](*3924):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/14148421.html ]、c. ヤエズイセン( ヤエスイセン?)[Ⅳ](*):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/14147546.html ]、d. フユシラズ[Ⅱ](*3925):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/14148628.html ]、e. ノボタン 'コートダジュール' [Ⅱ](*3927):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/14148658.html ]
   

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                                     * 2016.01.24



3934) バナナ Ⅱ


 バナナ(*A*)はじつにうまい果物、面白い恰好をしている。包丁もいらず食べられるというのも、食いしん坊の僕にとっては、魅力にあふれすぎた果物だと思う。

 子供の時に、お隣さんの土手の上にバナナの木が植えてあった。台湾から持ってきて植えたものだと聞いていた。
 その超大きな独特の葉の恰好もよく覚えている。大風に吹かれて、旗のような葉がひらめいて、破れた葉の裏が見えていた。
 その花と実をまじかに見ることはなかったが、確かにそれららしいものが遠くから見えていた。ただ、お隣さんとうちの家の関係は必ずしも芳しいものではなく、そのバナナの木や実を見に行くことは叶わなかったのである。


 もう、何年も前に、鹿児島は佐多岬(*B*)に行く途中でバナナの木の花と実を見たことがあったが、その時は、なぜか急いでいて十分にそれを観察することができなかった。記憶にないことを考えると、その木にバナナの実が付いていたとは思えない。


 つい先日、西彼杵半島の山の中(*C*)で、バナナの木を見た。

 それには、花らしいもの、まだ青い実だが「段」をなして横に並んだ実が付いていて、本当に驚いた。それは、写真や映画で見たことはあるのだが、その実の付き方というのも実に奇妙で面白い。

 さらに、その花らしいものが実の付いた太い軸の先に垂れ下がってついている。これがまた面白い格好で、なんともエキゾチックという感じだ。
 それは、ハス(*D*)やスイレン(*E*)の花の“つぼみ”を逆さにして、シャワーのノズルにつなげたような恰好で、そのノズルの根元に襟巻状の段をなしたバナナの実がぐるりと取り巻いているのだ。これは『前衛芸術』だと思った。心の何かを呼び覚ますような・・・何かだ。

 しばらく、僕はその『前衛芸術作品』に見とれていた。ふと、目の前を見ると皮の剥げたようなの太さ20cmくらい幹がある。

 ガーゼの糸目のような縦横の繊維がはっきり見える。柔らかそうな大きな幹の上の方には超大きな葉の柄が上広がりに幾つも出ている。

 さて、このバナナの木というのは、樹木なのか、草本なのか、また、余計なことを考え出した僕だったのだ。
 

 そもそも、「木」と「草」の明確な定義は植物学会でも確定していないという。

 バナナは、数年にわたって生きる多年草であり、葉が合わさってできた「偽茎」が幹の代りになる。成長に従って「幹」が太くなるのだが、これらは木には分類されてはいない。造園界樹木学上では「特種樹」として扱われているという。

 それなら、バナナの実は『果物』といえるのか・・・僕は、個人的には、バナナこそ果物の代表みたいに思っているのだが・・・・

 バナナは多年草であり、果物のとれる『前衛的植物』なのだ。




*【参照HP】① バナナ(*A*): a. バナナ(*941):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/41329125.html ]、b. タイ観光:バナナの成長記録 ★:[ http://www.thai-kanko.2-d.jp/banana.html ]、② 佐多岬(*B*): a. ウナズキヒメフヨウ[Ⅱ](*1572):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/52204798.html ]、b. ウナヅキヒメフヨウ(*777):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/52189229.html ]、c. サキシマフヨウ(*3089):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/8881796.html ]、d. オオエノコログサ(*1093):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/44364570.html ]、e. ガジュマル(*1020):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/42952067.html ]、③ 西彼杵半島の山の中(*C*):≪旬の風 417≫ 小さい春 見つけた! いや、秋・春の花 混合?:[近日掲載予定]、④ ハス(*D*): a. ハス[および スイレン](*607):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/30271886.html ]、b. ハス Ⅲ [別名: 大賀ハス、二千年ハス](*1369):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/48992308.html ]、c. ハス Ⅲ [別名: 大賀ハス、二千年ハス](*1368):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/48999824.html ]、d. 唐子のはす園:[ http://23.pro.tok2.com/~koume3/nagasakiken/karako/karako.html ]、e. ハス[Ⅳ](*3278):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/11282165.html ]、⑤ スイレン(*E*): a. ハス[および スイレン](*607):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/30271886.html ]、b. スイレン[Ⅱ](*2461):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/61186492.html ]、c.  スイレン[Ⅲ](*3728):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/13470067.html ]

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                                     * 2016.01.31


≪旬の風 422≫   


                          カシラダカ



 1月の中旬、ウォーキング中の西彼杵半島の山の中(*A*)で見たものだ。正確にいうと、大瀬戸(雪の浦)の海に近い大瀬戸町瀬戸羽出郷の小さな川(羽出川)の土手の木の枝だった。

 数羽の茶色の野鳥集団で、その中のオスとメスらしいペアーがカメラの望遠画像に写っていた。

 写真を見て、こりゃ、『ヒバリ』と思った。思い込んでしまった。

 ここのページの題材を『ヒバリ』として書き終わったころ、横からその写真を見ていた嫁さんが言うには、

 「これ、ヒバリ?・・ヒバリというのは、もっと華奢な感じで、顔の感じが目立たないような・・・普通は田んぼの上空にピーチク・パーチク鳴いているような・・」

 田んぼの遥か上空でピーチク・パーチクのものなら僕もよく知っていて、それが”ヒバリ”だと聞いてはいたが、近くで見たことはなかった。あれは、数年前のサクラ(*B*)の開花のころの「波佐見」の公園(*C*)の上空だった。
 もう30年以上も前に佐賀平野の田んぼの上空でも見たことがあって、それがヒバリだと教えられたのは、たぶん、新婚の嫁さんから教えてもらったような気がする。
 ま、そんなことはいいだろう。

 それなら、確かめてみようと、ネット上での「ヒバリの画像」を見てみて、びっくり!

 それは、『ヒバリ』ではなく、「カシラダカ」という野鳥だったのである。

 子供の時から見てきた写真や絵の中の『ヒバリ』は、その頭部の毛が立っていて、それが『ヒバリ』の際立った特徴だと思ってきたのが間違いのようだった。

 この「カシラダカ」という野鳥の頭部の毛も今回の写真で見ると立っている。だが、顔面には白い帯状のラインがあって、昨年になって知った「ホオジロ」にも似ている。
 「ホオジロ」(*D*)の場合は、この「カシラダカ」より体がひと回り大きいようで、その顔面の白い帯状のラインは周囲の黒さと相まってもっとはっきりしているように見える。

 いずれにしても、顔の模様は、ヒバリには似ていないようだ。早計だった。このブログに『ヒバリ』として、その発見の驚きと画像を掲載する前に気づいてよかった。


 「カシラダカ」という野鳥は、日本に「冬鳥」として周辺の国から渡来するという。頭の毛(冠羽)が立っていることが多く、「かしら(頭)」の毛が「高い」・・すなわち「頭・高」が名前の由来であるらしい。やはり、ホオジロ科に属するらしい。 

 このカシラダカの羽は「冬羽」の様相らしいが、オス鳥は春先3月下旬から4月ごろになると、「夏羽」になってくるという。顔と頭が黒くなってコントラストが強い色合いになり、別の鳥のような色になるという。それは、想像するに、『ホオジロ』にきっと似たものだろう。

 問題は、「ヒバリ」なんかに似ているのではなく、『ホオジロ』に似ているのだ。

 「ヒバリ」は開けた草原・畑などの場所の地上生活が大半で、このように樹木の枝に止まることは滅多にないという。オスの「ヒバリ」は空高く舞い上がって縄張り宣言をするが、雌雄の区別はメスも冠羽を立てることがあり、オスより短い。雌雄の羽色は同色でさえずっていない場合は見分けは素人には困難らしい。

 このカシラダカ(頭高、学名:Emberiza rustica)は、スズメ目ホオジロ科に分類される鳥類の一種である。和名の由来は、興奮すると頭頂部の羽を立たせることよる。

 世界的な分布で、北欧のスカンジナビア半島からカムチャッカ半島までのユーラシア大陸の高緯度地域であるが、日本で見られるものはアリューシャン列島で繁殖し、冬季は中国東部・中央アジアに渡り越冬する。日本では冬鳥として、九州以北に渡来するという。

 体長が約15cm、後頭部に短い冠羽があるが、オスの夏羽は、頭部が黒く目の上から白い側頭線がある。体の上面は茶色で黒い縦斑がある。体の下面は白色である。雄の冬羽と雌は、頭部と体の上面に淡褐色になる。外観はホオジロの「メス」に似ている。

 繁殖期はつがいで生活するが、それ以外は数羽から100羽程の群れを作って過ごす。





*【参照HP】 ① 西彼杵半島の山の中(*A*):[近日掲載]、② サクラ(*B*):a. ≪旬の風 175≫ やまが桜園 1★:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/4626410.html ]、b. ≪旬の風 176≫ やまが桜園 2★:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/4643651.html ]、c. ≪旬の風 179≫ 大阪の桜:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/4778133.html ]、d. ≪旬の風 182≫ 宝塚歌劇団 (Takarazuka Revue):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/4866165.html ]、e. ≪旬の風 180-①≫:京都の桜 [Ⅰ]:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/4788339.html ]、f. ≪旬の風 180-②≫:京都の桜 [Ⅱ]:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/4808751.html ]、g. ≪旬の風 180-③≫:京都の桜[Ⅲ]:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/4826287.html ]、h. ≪旬の風 181≫ 奈良の桜:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/4842439.html ]、i.≪旬の風 178≫ 吉野の千本桜:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/4748249.html ]、j. ヒガンシダレザクラ(彼岸枝垂桜)[Ⅰ](*3021):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/9208468.html ]、k. ヒガンシダレザクラ(彼岸枝垂桜)[Ⅱ](*3022):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/9101847.html ]、③ 「波佐見」の公園(*C*)(の:ヒバリ)★ :≪旬の風 82≫ 今年のサクラ風景:[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/59720742.html ]、④「ホオジロ」(*D*):⇒ ヨシススキ(*3569):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/12944605.html ]

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                                   * 2016.01.22


3930) フィカス・ベンガレンシス


 そこは、生月(*A*)の青い海を見渡す、丘の上のとても小さなレストランだった。

 海の向こうには遠く、白い船が浮かんでいた。


 平戸の友人の夫婦が、旨いから、ぜひ行ってみたらと勧めてくれたレストランだった。

 僕ら夫婦は、この手の話にはひどく敏感で、早速、生月島(*A*)に出かけたのだった。まあ、敏感というか、“食いしん坊”だけなのだが、“おいしい”と言われれば、どこへでも気軽に出かけていくのだ。

 生月についたのは良かったのだが、その「V」というレストラン(*B*)が皆目わからない。大体の場所は聞いていたのだが、どこにあるのかわからないのだ。都会とは違って、大体の場所を聞けば、ほとんど間違いなく行けるというのが田舎の特徴でもあるのだが・・・

 島の一本しかないメイン道路を行ったり来たり・・・・。

 ついに、分からず、地元の人に聞いたところ、数回往復した道の脇にあるらしい。

 「戻って、右側に“壊れたガソリンスタンド”がありますが、そのすぐ前です」

 『“壊れたガソリンスタンド”・・・・なんだそりゃ?』

“壊れたガソリンスタンド”を目指して、もとに戻って行ったが、道脇にはそれらしいものがない。

 「おい! あれじゃないのか!? やっていないガソリンスタンド・・・!」

 「なるほどね。廃業して、ずいぶん経って荒れているみたい・・・で、どこなんだろう?」

 「さっきから、ここは来たよね・・・どこだろう? もしかして、あそこの小屋みたいな小さい倉庫?・・あれしかないよね。“壊れたガソリンスタンド”の前っていえばね・・・」

 その小さい倉庫のような白い建物の前には駐車場があり、そこに入っていったら、窓の向こうにカウンターらしきものと明かりが光っていた。

 そこで聞いてみようと思って、玄関らしきところのドアを開けて、美味しそうな匂い!『ここだ!』とすぐにわかった。まさに、目的地はそこだったのだ。

 店の前にも大した目立つような看板もない。ドアを開けて中を覗き込むと、若い男女が『いらっしゃいませ』・・・彼らは、まだ若い夫婦のようだ。

 店の中は、真っ白の壁、その向こうに真っ青な海を四角に切り取った大きな窓がある。何か、行ったことはないが 地中海のミコノス島の白いレストランのようである。
 飾り気のない飾り・・・いくつかのテーブルと椅子が白い壁に囲まれ、素晴らしい青い海と丘の絵画がそこに輝いていたのだ。

 そこには、二つの単純な観葉植物が置いてあった。

 一つはヤシ(*C*)の実から大きな葉の出たものだったが、もう一つのものは緑葉が丸くて大きなもの、それに、その幹が真っ白なもので、いかにもそのレストランの内装と似合っていた。

 食事は、イタリアン風で、彼らが言ったとおり、きわめて旨いものだったし、リーゾナブルな価格で、僕らはひどく満足だった。


 食後に、その幹が白くて大きな丸い葉の観葉植物が何というものか、そこにいた彼女に聞いてみたが、判らないという。

 しばらく彼女自分は自分のスマホで調べていたらしく、その木が『フィカス・ベンガレンシス』というものであることを教えてくれたのだった。
 
  
 後で調べてみたところ、このフィカス・ベンガレンシス(Ficus benghalensis)は、別名が「ベンガルボダイジュ」、「バニヤンツリー」と呼ばれるインド原産の樹木である。
  

 『ベンガル』というのは、インドにまつわる言葉で、ベンガル湾、ベンガルトラなどの言葉があるが、実際は「インド亜大陸北東部の地域」を指すらしい。

 この「フィカス・ベンガレンシス」の木は、なんとなく、他の植物とは異なる魅力を放ち、ヒンドゥー神話の中では『望みを叶える木』として知られているという。 『幸せな意味をもつゴムの木(*D*)』とも言われているようだ。

 インドでは永遠の生命を表す神聖な木とされ、寺院の周囲などに植えられているらしく、その木陰には人々が集い大切な場所となっているという。

 最初はこんなに小さな1本の「木」であっても、時の流れとともに1つの「森」となり、巨大になって人々を癒してくれることを彼ら夫婦が願った木なのかもしれない。それに、もしかしたら、彼ら夫婦が年齢を重ねるごとに家族の愛を大きく育てることの誓いを示すものなのかもしれない。

 美しい木だと思った。 彼らの望みが叶えられれば素晴らしい。

 その独特の造形美しさとゆっくりした癒しの雰囲気は、この小さなレストランにぴったりのものであると思った。


 この「フィカス・ベンガレンシス」は、インドをはじめ、スリランカやパキスタンなどモンスーンと熱帯雨林気候区に生息しているらしい。
 成長は比較的緩やかだが、熱帯では巨木になり、古い木で高さ30mにもなるという。

 明治時代末期に日本に導入され、近年では観葉植物として、また、結婚式の贈り物として、人気が出始めているという。







*【参照HP】① 生月・生月島(*A*): a. ツワブキ[Ⅳ](*3263):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/11052317.html ]、b. ≪旬の風 265≫ PM 2.5 120μg/m3 !:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/10895240.html ]、c. コオニユリが咲く美しい生月島・オオバエ灯台近辺:[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/41033106.html ]、d. ハマビワ[Ⅱ](*2599):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/61101810.html ]、e. ミヤコグサ変種[別名:ニシキミヤコグサ](*2395):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/59918700.html ]、f. シロツメクサ[Ⅱ](*2320):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/6987899.html ]、g. カンコノキ(*1520):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/51214481.html ]、② 「V」というレストラン: a. facebook:[ https://ja-jp.facebook.com/t.vive.la.vie、 b. #ビブラビ medias:Vive la vie:[ http://www.online-instagram.com/tag/ビブラビ/986238002217079026 ]、c. 生月でみつけたお洒落なイタリアンレストラン - ビブラビ:[ https://www.tripadvisor.jp/ShowUserReviews-g1022851-d8178818-r275742279-Vive_la_vie-Hirado_Nagasaki_Prefecture_Kyushu_Okinawa.html ]、③ ヤシ(*C*):a. ココスヤシ(*1339):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/48533686.html ]、b. アレカヤシ(*2292):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/11387469.html ]、c. ワシントンヤシ[別名:ワシント二ア・パーム?](*2221):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/59314730.html ]、④ ゴムの木(*D*):⇒ ゴムノキ(*949):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/41582998.html ]

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                                   * 2016.01.22


3929) ベニシタン [別名: コトネアスター]  Ⅱ



 『何だ!? この赤い実は!?・・・・』 

 ピラカンサ(*A*)やタチバナモドキ(*1157)の実に似ているが、それよりは、ひどく疎らな実の付き方だし。実の大きさも少し小さいようだ。棘みたいなものもなさそう・・・・それに、葉も上記のものより小さくて、なにか、つくばね状の「輪生」に見える。

 佐世保の東方の丘にある「原分町」というところを歩いていたら、玄関に真っ赤な実をつけた木を突然見つけたのだ。

 人のうちの玄関の前であり、家の中からこちらをどこからか見ているのかもしれない。

 いかにも、珍しくてたまらない風な態度で写真を撮ることにした。まさか、「泥棒」とは思われないだろうが、「奇人・変人」の類に間違われても、おかしくはなかろう。もしかしたら、怖がられているかもしれない。

 外国なら、いや、アメリカなら、突然 発砲されるということがあるのかもしれない。

 でも、日本なら、『これ人見よがし』のところに置いてあり、人が珍しがって見てくれることを喜ぶことだってあるのだ。
 

 ま、このことはいいだろう。それより、何という植物なのか?

 例の親切なサイト(*B*)で、「F」さんという方から教えてもらった。
「ベニシタン」というものであるらしい。
 
 「ベニシタン」は、『紅紫壇』と漢字で書かれ、中国原産の樹木である。昭和初期に渡来し、庭木や盆栽などとして栽培されている背丈が1m程しかならないバラ科の低木である。その赤い実と枝葉が風流、かつ、雅(みやび)なのであろう。

 同じ「ベニシタン」でもいろいろ種類があるらしく、赤ピンク色または白っぽい、
 小さな花が4~5月に咲くというが、秋から冬に付く実の色はどれも赤いらしい。

 別名が「コトネアスター」(*C*)ともいうらしく、この名前はどこかで聞いたことがある。たしか・・福岡・天神の階段状のビルの植え込みにあったような・・・

 小さな白っぽい5弁の花びらは全開して、トキワサンザシ(*D*)にそっくりらしい。トキワサンザシの花の咲く時期も同じだが、トキワサンザシは数mもの背丈になるのに比べ、このベニシタンよりもずっと低い。また、葉の大きさもそれより小さいという。

 そういえば、「シロシタン」という名前の植物名を知っている。あれは、昨年の6月だったか、北海道旅行に行ったとき「層雲峡」のホテルの前の植え込みで見たものが「シロシタン」(*3155)と言っていたような・・・

 「ベニシタン(紅紫檀)」と「シロシタン(白紫檀)」ね・・・・

 ベニシタンは枝が水平に広がり、高さ1mくらいまで育ち、葉は広卵形で、光沢ある緑色をしている。その花は径1cm弱で、赤みを帯びた白色とある。その果実は球形で、鮮明な光沢ある赤色になるらしい。シロシタンの方は花が白色であるが、『変わり品種』で、実はベニシタン同様に赤いらしい。







*【参照HP】① ピラカンサ(*A*):a. ピラカンサ(*972) :[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/45676638.html ]、b. ピラカンサ[Ⅱ](*3225):[ blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/10864513.html ]、c. タチバナモドキ(*1157):[ blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/45675663.html ]、② 例の親切なサイト(*B*):このきなんのき掲示板:[ http://www.photobb.net/bbs.cgi?id=10170 ]、③「コトネアスター」(*C*):[検索中]、④ トキワサンザシ(*D*):⇒ タチバナモドキ(*1157):[ blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/45675663.html ]、⑤ シロシタン [不確定](*3155):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/10269509.html ]

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