過去の「山野草図鑑歳時記・Ⅲ」のアーカイブ

山野草図鑑歳時記[Ⅱ][Ⅲ]、さらに山川草木・動物 歳時記[Ⅰ]・[Ⅱ]に続けます。 こちらは山野草図鑑歳時記[Ⅲ] のみのアーカイブです。

2017年06月

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                                    * 2017.05.29



4329) ウシオハナツメクサ(不確定) [Ⅱ]


              * この記事は、前のウシオハナツメクサ(不確定)[Ⅰ](*4328)からの続編。



 なんと! びっくりしたことには、昨夕見た半分枯れかかったようなその植物の傍に、緑の濃い同じものがあったのだ。
 そして、よく見ると、5mmほどのピンク色の5弁の花が咲いているではないか!
 昨夕は全く気づかなかったのに・・・・昼に来てよかった!

 その葉はやはりツメクサ類(*A*)に似ているが、艶がなく、何かベトベトしたものが触れる感じがする。蕾らしい膨らみには黒い点が幾つかある。

 近くの枯れたような株では、黒っぽい実らしきものは見えたのだが、多くのものは種は落ちてしまっているようにも見える。これは、明らかにハマツメクサ(*B*)とは異なる別種類の植物のようで、ツメクサの一種であろうと考えた。

 ツメクサの周辺の植物を調べていたのだが、『ウシオツメクサ』という言葉は見逃したらしい。

 今度は、またいつもの「H」さんからコメントが来ていた。
 『ナデシコ科ウシオツメクサ属の植物だと思われるが、ウシオツメクサ、ウシオハナツメクサ、ウスベニツメクサで調べてみてはどうか』とのコメントがあり、『この花は陽が充分に当たらないと開かない』と思うとのコメントも付け加えられていた。

 次に「H」さんから、鑑別が問題になりそうな「ウシオツメクサ」と「ウシオハナツメクサ」についてのコメントが届いていた。
 『雄蕊の数はウシオツメクサが2~5個、ウシオハナツメクサが3~5個、ウスベニツメクサが6~10個であり、その他、(鑑別には)托葉がはっきりと分かる写真も必要』とのコメントだった。

 問題は、この野草が「ウシオツメクサ」か「ウシオハナツメクサ」か「ウスベニツメクサ」か?ということになる。

 「ウスベニツメクサ」は、北海道や本州に帰化しているとされ、九州での報告はないようである。さらに、この「ウスベニツメクサ」の花弁は基部まで均一な淡紅色とされるので、まず、この「ウスベニツメクサ」という野草は鑑別から外してもよさそうである。

 結局、「ウシオハナツメクサ」や「ウシオツメクサ」のいずれかということだろうが、これがなかなか難しい。

 両者の鑑別点とされる雄蕊の数や花序の葉と花柄の長さの長短?という点では確認がかなり難しい。雄蕊の数がウシオツメクサが2~5個、ウシオハナツメクサが3~5個、これでは両者は鑑別できない。

 花序の葉と花柄の長さの長短、それに葉や茎の腺毛の密度が違うようだが、これらの所見は両者を並べて見ないと分からないだろう。

 だが、たしかに、この野草には葉や茎にベトつきがあり、葉や茎に腺毛があるのだ。「ウシオハナツメクサ」の萼片には腺毛が生えているというが、確かにこの野草の萼片にはベタつく小さな毛が生えている。一方の「ウシオツメクサ」にはこの腺毛が少ないとの記述が多いが、はっきりしていない。

 両者の重要な鑑別点は、花の様子かも知れない。「ウシオツメクサ」の花びらは白色か先の方だけ淡紅色で、「ウシオハナツメクサ」は基部だけ白いという。こうなると、この花の様子は、花びらの先端に近い方がピンク色であり、「ウシオハナツメクサ」の可能性が高い。

 さらに調べてみると、この野草にもあった萼片の下部の黒い点に関する記載もある。
 だが、その黒い点は「ウシオツメクサ」「ウシオハナツメクサ」のどちらも萼の基部近くに黒い班点があるという記載がある。萼の基部近くに黒い班点があれば、「ウシオハナツメクサ」という話もあるが、定かではないようだ。

 ここまで調べてきたのだが、結論的には、この植物は、どうも「ウシオハナツメクサ」の方のようである。                 


 「ウシオハナツメクサ」は、ナデシコ科 ウシオツメクサ属のものであり、塩分を含む塩性湿地に生育する「塩性植物(*C*)」である。塩分を多量に含む環境に生育する植物は、高い浸透圧を持つ水から水分を吸収する必要があるので、外界の水よりもより高い浸透圧を保つ必要がある。
 多くの塩性植物は多量の塩分を体内に含んでいるので、噛んでみると塩辛いという。 

 塩性植物は塩分がないと生育出来ないわけではなく、真水でも生育は可能であるらしい。塩分を含まないような沼地では草丈の高い植物が繁茂し、「ウシオハナツメクサ」のような小さい植物は生育が困難である。

 彼らは、あえてこの塩分濃度の高い逆境的環境を選んできたのだ。

 そこに咲いた小さなピンク色の健気な花・・・見守っていきたい。






*【参照HP】① ウシオハナツメクサ(不確定)[Ⅰ](*4328):[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/15699516.html ]、② ツメクサ類(*A*): a. ハマツメクサ(*473):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/24303195.html ]、b. ハマツメクサが美しい北九十九島の漁港:[ https://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/41032609.html ]、 c. ツメクサ(*474):[ https://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/24306849.html ]、d. ツメクサ(類)[Ⅱ](*3712):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/13415458.html ]、e. イトツメクサ(糸爪草):三河野草:[ http://mikawanoyasou.org/data/itotumekusa.htm ]、f. キヌイトイトツメクサ(絹糸爪草):三河野草:[ http://mikawanoyasou.org/data/kinuitotumekusa.htm ]、③ ハマツメクサ(*B*): a. ハマツメクサ(*473):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/24303195.html ]、b. ハマツメクサが美しい北九十九島の漁港:[ https://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/41032609.html ]、c. ハマツメクサ[Ⅲ](*4330):[近日掲載予定]、④「塩性植物(*C*)」★: a. ハママツナ(*1849):[ https://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/56311603.html ]、b. フクド[別名:ハマヨモギ](*1016):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/42490170.html ]、c. ウラギク「別名:ハマシオン」(*692):[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/11583490.html ]、[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/11582165.html ]、d. ハマサジ(*693):[ https://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/34857840.html ]、e. ツルナ[Ⅲ](*2812):[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/5865969.html ]、f. ツルナ(*393):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/21698640.html ]

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                                   * 2017.05.29



4328) ウシオハナツメクサ(不確定)[Ⅰ]


 仕事の終わった夕刻、ほとんど毎日、田平港の周辺を歩いているが、見逃している野草がある。

 夕刻の平戸瀬戸(*A*)を目の前にして歩けば、毎日違った素晴らしい夕刻の景色に出会える。その景色ばかり見て歩いていることが多いのもその原因だろう。

 いつも地べたばかり見て、知らない野草を探しているわけではないのだから、仕方がない。野草を見ているのは付録でしかないのだ。歩行の目的のメインは、美しい景色を見ながら歩き、一日目標の歩数を稼ぐことなのだ。それにしても、毎日仕事の後に10000歩以上というのはかなり大変なことではある。

 今の5月末の季節は田平港のコンクリートの敷き詰められた隙間には、多くのハマツメクサ(*B*)がぎっしりとどこにも生えている。昼はその小さな5弁の花を咲かせ、すでに花の終わったものでは、花後の白い萼片の中に微細な黒い種がのぞいている。

 昨日の夕刻、田平港のコンクリート海岸を歩いているときに、少し様子の違った〝ハマツメクサらしいもの”が生えているのに気付いた。

 ハマツメクサとは、何となく違う。丸っぽい蕾のようなものが多くついていて、ハマツメクサの花後にしては萼片がやや広がっていた。その中にやや黒っぽい種がハマツメクサのように詰まっていた。葉はハマツメクサのようなもので、茎はやや長い感じがした。

 何か違うと思った。・・・・蕾のような丸い部分の表面には微細な黒い点があり、ゴミだと思ったのだが、どれにも同じようなところに一様にその点がある。
 ツメクサの一種にも見えるが、全体的に毛深い感じがして、どことなく触った感じが何かベトつく感じがする。

 ハマツメクサ(*B*)にしても、狭義名のツメクサ(*C*)にしても、葉はシャープな『爪型』で、光った感じがするのだが、この野草は毛が多いらしく光った感じは全くない。


 図鑑やネット上でツメクサ類を一応、探したのだがよく判らなかった。この野草には、花は全く見られず、花の時期が終わったのか、夕刻には花が咲いていないのかのいずれかなのだろう。

 結局、例の植物専門サイト(*C*)に質問することにした。

 『5月の末に海岸のコンクリート道路(潮のかかるような道)で見つけた高さ15cmほどの野草です。この一帯に見られるハマツメクサに似ていますが、毛深い葉や茎、それに花後のがく片がかなり開いていて、ハマツメクサではないのではないかと思います。残念ながら、その花は終わった段階のようです。 何という植物か、お教えください? もしかしたら、「オツメクサ」でしょうか?』

 すると、いつもの「T・O」さんから、『花が終わって種ができているのであれば、種の拡大写真は撮れないだろうか。種からその植物の名前が推測もできるかも知れないとのコメントを貰った。

 これは、僕が「オツメクサ」でしょうか?と質問したことへの返事だったのだと思われた。

 ちょうど、そのコメントを見たのが次の日の昼休み。歩いて5分もかからない所だったので、早速、種の写真を撮ってみようとその現場に出向いたのだった。

そこで見つけたものは、意外なものだった。


 
                    * この記事は、次の ウシオハナツメクサ[Ⅱ](*4328)に続く。 



*【参照HP】① 平戸瀬戸(*A*): a. ≪旬の風 344≫ 平戸瀬戸の日没:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/12868301.html ]、b. ≪旬の風 369≫ 夏の夕暮れ 平戸瀬戸 :[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/13593100.html ]、c. ≪旬の風 185≫ 春・本番の平戸瀬戸 ★:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/5253621.html ]、d. ≪旬の風 351≫ イルカの大群 :[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/13210491.html ]、e. ≪旬の風 211≫ 平戸瀬戸の漁船団:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/7628498.html ]、f. ≪旬の風 325≫ 夜明け前 ★:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/12630073.html ]、g. ≪旬の風 335≫ 平戸瀬戸にかかる「虹」:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/12869599.html ]、h. ≪旬の風 240≫ 濃霧の平戸瀬戸:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/9778516.html ]、≪旬の風 461≫ 平戸瀬戸の落日[Ⅰ]:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/14343200.html ]、i. ≪旬の風 462≫ 平戸瀬戸の落日[Ⅱ]:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/14345799.html ]、j. ≪旬の風 546≫ アオサギ :[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/14769146.html ]、k. ≪旬の風 614≫ アオサギ [Ⅱ]:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/15509184.html ]、l. ニオイシュロラン[Ⅱ](*4252):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/15503372.html ]、m. ≪旬の風 608≫ ペーパームーンと金星の夜空:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/15468273.html ]、n. ≪旬の風 622≫ 時にある夕陽の天体ショウ:[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/15558789.html ]、o. ソテツ ♂株 ♀株(*4245)・・[焼罪史跡公園]:[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/15491663.html ]、p. ≪旬の風 554≫ アオサギが飛び立つとき ★:[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/15092335.html ]、② ハマツメクサ(*B*):a. ハマツメクサ(*473):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/24303195.html ]、b. ハマツメクサが美しい北九十九島の漁港:[ https://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/41032609.html ]、③ 狭義名のツメクサ(*C*): a. ツメクサ(*474):[ https://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/24306849.html ]、④ ツメクサ類(*D*): a. ツメクサ(類)[Ⅱ](*3712):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/13415458.html ]、b.「イトツメクサ」(*C*):⇒ イトツメクサ(糸爪草):三河野草: [ http://mikawanoyasou.org/data/itotumekusa.htm ]、c. キヌイトイトツメクサ(絹糸爪草):三河野草:[ http://mikawanoyasou.org/data/kinuitotumekusa.htm ]、⑤ 例の植物専門サイト(*D*):草花を愛でる方々のためのお尋ねBBS:[ http://www2.ezbbs.net/18/jswc_3242/ ]、⑥ ウシオツメクサ[Ⅱ](*4328):[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/15699890.html ] 

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                                   * 2017.06.26


4333) シダレカエデ Ⅱ (アオノシチゴサン ?)


 いわゆる〝天狗のうちわ″のような葉の形をしたカエデ(モミジ)は、一般的なもので、その代表がイロハカエデ「別名:イロハモミジ」(*A*)である。

 しかし、カエデ(モミジ)の中には、葉を放射状にズタズタに切ったようなものがある。以前に取り上げた「シダレカエデ」(*839)というのもそのような状態の葉だった。これも、「カエデ(モミジ)」の一つなんだと驚いて見たことがあった。

 その後、たびたび、そのようなカエデをあちこちで見てきたが、背景に白地のあるものがあると、それはひどく美しく見える。特にエンジ色のものは趣が強く素晴らしい。


 あれは、4月の下旬だったが、一つの緑色をしたその仲間らしい「カエデ(モミジ)」をウォーキングの途中で見たのである。
 瀟洒な白い壁の和洋折衷のお宅だったが、その玄関先の庭にいくつかの園芸樹木が植えてあり、それらはひどくその家に似合っていた。

 その中に、以前に見たシダレカエデ(*839)の葉より更に葉の裂のあいた、糸状の細い緑葉をもったカエデがあったのだ。
 一見、カエデ類以外の不思議な葉の植物にも見えるのだが、シダレヤナギ(*B*)の葉とは全く違う感じのひどく長細い葉が、極端に言えば、クモ(*C*)の巣のようにも見える。

 その葉をよく見てみると、2~5mmの細い葉が5~10cmも伸びていて、それらが5~7本集まって掌状構造になっているのだ。そのほんの一部には3つの分かれたものもある。葉の縁にはギザギザ(鋸歯)はほとんど見られない。

 何というカエデの一種なのだろうと思って、写真を何枚も撮ったのだが、近くで見ていた人がいたら、きっと〝警察沙汰”とまではいわないまでも、「不審者」として見られたことだろう。
 僕としては、家の人がもし出てこられたら『ラッキー!』ということで、その名前を聞けたのかもしれないのだが、出てくること自体が恐怖だったのかもしれない。


 ・・・で、この手の特殊な感じの「カエデ(モミジ)」であるが、いかにも園芸種のものという印象が強い。

 早速、例の樹木サイト(*D*)に聞いてみたところ、シダレモミジの品種(?)で「タムケヤマ(手向け山)」、「コトノイト(琴の糸)」、「シメノウチ(占の内)」などという品種が候補に挙げられた。
 これらはいずれも、葉が深裂している「カエデ(モミジ)」の種類で、『シダレモミジ』といわれるものの品種のもののようである。

 「シメノウチ(占の内)」というのは、どうも、「アカノシチゴサン(占の内)」のようである。これら「タムケヤマ(手向け山)」「コトノイト(琴の糸)」「アカノシチゴサン(アカノシチゴサン(赤の七五三・別名:占の内)」「アオノシチゴサン(青の七五三)」というものをネット上で調べてみた。これらを比較検討しようとするのだが、園芸種のものは宣伝広告が圧倒的に多くて、その詳細な植物学的情報は少ない。

 これらを、可能な限り比較検討していくが、いずれもよく似ている。

 「タムケヤマ」の葉は今回のカエデよりも葉の裂間の葉が広くて、ギザギザ(鋸歯)が目立つ。これは明らかに違うと判断した。何か、前回、シダレカエデ(*839)としたものによく似ている。

 今回のの植物は、葉も2~4mmで、ひどく細く、裂間の葉のギザギザ(鋸歯)がほとんどない。この点から行くと、「コトノイト(琴の糸)」もしくは、「アオノシチゴサン」の可能性があるようだ。
 さらに「アオノシチゴサン」は「コトノイト」より3裂葉が少ないようで、この木にも3裂葉がかなり少ないので、「アオノシチゴサン」のほうではないかと考えた。

 ちなみに、このように葉に裂の強いものは、今後も出てくるに違いないので、ある程度のことは知っておきたい。
 この系統のものを『シダレカエデ類』としてよいものは分らないが、「タムケヤマ(手向け山)」という品種は、春と秋に年二度紅くなるという。秋の紅葉はひどく華麗で初々しい美しさがあるとされる。このタムケヤマは、すらっと長くのびた葉に深い切れ込みがいくつもあり、糸で編み込んだ繊細なレース飾りのような形をしていると言われている。

 「コトノイト(琴の糸)」は、かなり葉(葉裂)の深く、葉が極端に細く見えるものだが、鋸歯が目立たない。しかし「3裂葉」が多く見られるという。秋には紅色がかった黄色に紅葉して美しいという。

 それに、『七五三(シチゴサン)』というモミジの品種は樹高が1.7-2.0mのもので、やはり、葉(葉裂)が深く、葉が細く繊細に見えるものだ。紅葉するものは「アカノシチゴサン」で、緑葉のものが「アオノシチゴサン」と呼ばれるもののようだ。が、その葉のごく一部には、幾つかの「3裂葉」が見られるという。これらの、モミジ『七五三(シチゴサン)』の葉は、最初は7裂でやがて5裂、枝先の葉が3裂になるという。

 これらは、いずれもよく似ているのだが、「タムケヤマ」の葉は今回のものの葉裂間の葉が広くて、ギザギザ(鋸歯)が目立つようで、この植物では裂間の葉のギザギザ(鋸歯)がないので、「タムケヤマ」は違うようだし、「コトノイト(琴の糸)」もしくは、「アオノシチゴサン」と思われた。さらに「アオノシチゴサン」は「コトノイト」より3裂葉が少ないようで、この木にも3裂葉がかなり少ないので、今回のものは、「アオノシチゴサン」のほうではないかと考えた。





*【参照HP】① イロハカエデ「別名:イロハモミジ」(*A*): a. イロハカエデ [別名:イロハモミジ](*802):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/37584255.html ]、b. イロハカエデ(別名:イロハモミジ)[Ⅱ](*1658):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/53681748.html ]、② 「シダレカエデ」(*839):[ https://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/38387170.html ]、③ シダレヤナギ(*B*): a. シダレヤナギ(*823):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/38020021.html ]、b. シダレヤナギ [Ⅱ](*1630):[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/53097759.html ]、④ クモ(*C*):a. ≪90000回アクセス記念 ⑦≫ 動物の写真館:クモ・ムカデ・ザトウムシなど 節足動物の仲間:[ http://blogs.yahoo.co.jp/ryujumihouchida/60415971.html ]、b. フロックス [別名:クサキョウチクトウ、オイランソウ](*2951):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/7002439.html ] c. ≪旬の風 373≫ ジョロウグモ(女郎蜘蛛):[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/13676574.html ]、d. ≪旬の風 492≫ アリグモ ♂ ★:[ http://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/14540777.html ]、⑤ 例の樹木(*D*):このきなんのき掲示板:[ http://www.photobb.net/bbs.cgi?id=10170 ]

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                                           * 2017.06.18



≪旬の風 655≫ 

                                   ウシアブ



 自宅の玄関前で、車に乗り込もうとしたら、突然、「ウシアブ」が車の中に入ってきた。

 こちらの方を見ているので、写真を撮ってやった。

 ポーズを付けたつもりなのかちょっと首をかしげている。

 「あれ! アブだわ・・・」

 後で乗り込んできた嫁さんが、窓ガラスを開けて無理に追い出してしまった。


 後で写真を大きく拡大して見たら、面白い写真になっていた。

 ウシアブは素晴らしい前衛的なサングラスをかけていたのだ。

 ウシアブの複眼が光の角度で反射するとこのような赤い線条のものが見えるのだろうか?


 ウシアブの成虫は牛・馬ほか人間など温血動物から吸血する。渓流沿いなどに多くみられ、幼虫は水中に生息する。
 温度に反応するのか、音に反応するのかはわからないが、とまっている車の周辺に集まってきて、車の中に侵入してくることがたびたびある。

 まず、刺すということはないが、彼は『しまった!』と思い、車の外の大空目指して逃げようとする。
 だが、車の透明フロントガラスに阻まれて、完全に逃げ場を失ってしまう。

 諦めたウシアブは、その透明ガラスが何なのかわからない。・・・空間に見えない壁があるのだ。

 『なじゃろう?・・・なんで?』 

 ウシアブは、ボンネットの上にとまって僕の方を見て、首をかしげたのだ。

 その瞬間を目の前の僕のカメラが見事捉えていたという訳だ。

 

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                                            * 2017.06.08


≪旬の風 662≫

                              瀬戸山のマリア [Ⅱ]




 瀬戸山のマリア(*A*)は、瀬戸山教会(天主堂)の真正面にいつも立っている。

 僕は幾度となくその写真を撮ってきた。

 僕の精神状態によってだろうか、その美しい顔は優しかったり、悲しかったり、寂しかったり、その表情を変えることに気付いた。

 今日は、何とも微妙なお顔だなあ。

 少し笑ったような、困ったような・・・・何とも言えぬ微妙な表情に見えた。

 
 急に、長崎のソプラノ歌手・山口純子さんの歌う「アベ・マリア」の美しい歌声がどこからともなく聞こえるような・・・・

 それは、カッシーニの曲で、ソプラノで「アベ・マリア」(*B*)のフレーズを繰り返すだけの歌曲なのだが、ひどく神聖な感じだ。

 「アベ・マリア(マリア おめでとう)」を何回も繰り返すのである。この曲には、それ以外の歌詞は不似合いなのかもしれない。ちょうど、ビートルズの『ヘイジュード』の終章に似ている。これは、祈りにも似ている。

 ・・・不思議に神聖な曲だ。マリアの真実とは何なのだろう?


 真っ赤な夕陽の落ちる平戸島・・・

 瀬戸山教会から釜田(港)に向かう頃には、もうあたりは真っ暗だった。いつまでも、あの旋律と歌声が付いてきた。






*【参照HP】 ① 瀬戸山のマリア(*A*):a. ≪旬の風 486≫ 瀬戸山のマリア ★:[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/14516459.html ]、b. オオキンケイギク[Ⅴ](*4317):[ https://blogs.yahoo.co.jp/rsytw766/15670186.html ]、 ② カッシーニの曲「アベ・マリア」(*B*): a. Charlotte Church - Ave Maria:[ https://www.youtube.com/watch?v=gQAUuTLwm5Q&index=2&list=RDOggoeByxrDg ]、b. Ave Maria (Caccini) - Hayley Westenra [ https://www.youtube.com/watch?v=OggoeByxrDg&index=1&list=RDOggoeByxrDg ]

 

 

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