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130) ヤブラン


 ヤブランは長崎県北では林の中や辺縁の陰性の環境に何処にでも普通に見られる山野草である。花は薄ムラサキでランの種類に見られる上方に咲き上がる性質と構造をもっている。花色は薄ムラサキとは言っても、かなり個体差があり、ムラサキ色のかなり濃いものもある。その花色の中にある黄色のおしべはなかなかのチャームポイントになっている。全体として魅力的な山野草であり、僕の好きなものの一つになっている。
 僕は佐世保市郊外の菰田水源地周辺でヤブランの一株を手にいれたが、ちょうど台風の跡で葉が殆ど擦り切れた状態のひどいものだった。葉を根本から切り込み、一年が経ったら黄緑色の若葉が芽生え、グングン成長し、遂に立派な花柱が何本もたった。花は珍しい(?)ムラサキ色のかなり濃いものであり、玄関先の階段を飾るに十分なものであった。
 外国ではヤブランは大人気の花であると聞くが、僕のヤブランはそれを十分納得させるものである。他にもっと華奢な感じのヒメヤブランというのがあるとされているが、本来のヤブランとの鑑別は容易ではなさそうである。



作成者 ryujumihouchida : 2006年4月11日(火) 13:28 [ コメント : 0]